OpenSSLの今後のバージョン体系(3.0.0以降)とApache License 2.0の採用

こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。

11/28/2018(GMT)に、OpenSSL Blogで「The Holy Hand Grenade of Antioch」として、新たなバージョン番号の体系とライセンスに関しての情報が公開されました。OpenSSLの次期のメジャーバージョン番号は3.0.0(FIPSは2.0.0)となり、さらにApache License 2.0が採用されるようです。



背景

今まで何年も、OpenSSLのバージョン番号の体系が独特のものであるため、ユーザからのフィードバックの中に「わかりにくい」という意見があったようです。そのため、OpenSSL 管理コミッティの方で、バージョン番号の体系の見直しを行うそうです。

新しいバージョン番号の体系

  1. バージョン番号の規則

    現状でのフォーマットは下記のものでした。

    
    MAJOR.MINOR.FIX[PATCH]
    

    新しい体系でのフォーマットは、下記のものになるそうです。

    
    MAJOR.MINOR.PATCH
    

    実際の所では、末尾の文字(1.1.1aとか1.0.2qとかの末尾の”a”, “q”ですね)が消えて、末尾が完全にパッチ番号として使われるようです。

  2. API/ABI互換性を「セマンティック バージョニング(Semantic Versioning)に似た形に」

    現状では、API/ABI互換性は、同じMAJOR.MINOR番号で保証されていましたが、新しい体系では同じMAJORバージョン番号でのみ保証されるそうです。ただし、現状のLTSがあるため、直接セマンティック バージョニングを採用するわけではないそうです。

  3. いつから体系が変わるのか

    現在の”1.1.1″系と”1.0.2″系では、バージョン番号の体系は変わらないようです。

    現在の開発版(マスターブランチ)は3.0.0となるようです(OpenSSL FIPSモジュールが2.0の番号を使っているため)。

    現在開発中のOpenSSL FIPSモジュールも、このバージョン体系に従うようです。


ライセンス

OpenSSL BLOGではさらっとかいてありますが、次期OpenSSL(3.0.0)からはApache License Version 2.0に変更されるそうです。こちらは、以前(2017年3月)にも話題に上がり、大きくニュースになったものになります。

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