Apach HTTP Server の脆弱性情報(Important: (mod_ssl) CVE-2019-0190 , Low: (mod_session_cookie) CVE-2018-17199, (mod_http2) CVE-2018-17189 )

こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。

01/23/2019にApach HTTP Server (mod_ssl)の脆弱性情報(Important: CVE-2019-0190, Low: CVE-2018-17199, CVE-2018-17189)が公開されていて、修正版の2.4.38が出ています。今回はこれらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。

2019/01/23 15:00更新:CVE-2018-17189を加えました。




Priority

  • CVE-2019-0190

    Important

    • SuSE
    • Red Hat Customer Potal
      • CVSS v3 Base Score: 6.5
      • Vector: CVSS:3.0/AV:N/AC:L/PR:N/UI:R/S:U/C:N/I:N/A:H
    • NVD
  • CVE-2018-17199

    Low

    • SuSE
    • Red Hat Customer Potal
      • CVSS v3 Base Score: 4.3
      • Vector: CVSS:3.0/AV:N/AC:L/PR:N/UI:R/S:U/C:N/I:N/A:L
    • NVD
    • CVE-2018-17189

      Low

      • SuSE
      • Red Hat Customer Potal
        • CVSS v3 Base Score: 4.3
        • Vector: CVSS:3.0/AV:N/AC:L/PR:N/UI:R/S:U/C:N/I:N/A:L
      • NVD

修正方法

各ディストリビューションの情報を確認してください。

CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)

  • CVE-2019-0190
    • リモートからのDoSの可能性
    • 重要度 – Important
    • 影響するバージョン: Apache 2.4.37 (mod_sslでOpenSSL 1.1.1以降を使ってる場合)
    • mod_sslのクライアント再ネゴシエーションにバグが見つかりました。リモートの攻撃者は細工されたリクエストを送ることにより、mod_sslをループ状態にすることでDoSを仕掛けることが可能です。このバグは再ネゴシエーションをする際のハンドリングが変わったため、Apache HTTP Server 2.4.37でOpenSSL 1.1.1以降を使っている場合にのみ発生します。
    • 緩和策 – mod_sslでOpenSSL 1.1.1以降を使っている場合には、早急に2.4.38以降にアップデートしてください。
  • CVE-2018-17199
    • mod_session_cookieのエクスパイアタイムが無視される可能性
    • 重要度 – Low
    • 影響するバージョン: Apache 2.4.0 – 2.4.37
    • 2.4.0-2.4.37のmod_sessionでは、セッションのデコーディングを行う前にセッションエクスパイアタイムを確認していたことがわかりました。これにより、mod_session_cookieセッションのエクスパイアタイムが、セッションがデコーディングされてロードされている間、無視されることがあります。
    • 緩和策 – 2.4.38以降にアップデートしてください。
  • CVE-2018-17189
    • DoSの可能性
    • 重要度 – Low
    • 影響するバージョン: Apache 2.4.17 – 2.4.37
    • リソースに遅いリクエストを送ることにより、httpdのクリーンアップコードがサーバのスレッドを不要に専有します。これを利用して、サーバの負荷を上げる(DoS)事が出来ます。
    • 緩和策 – 2.4.38以降にアップデートしてください。


対処方法

各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。

また、サービスの再起動が発生しますので、peacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。


セキュリティ系連載案内


セミナー情報1

2019/02/08 19:00-21:00に「DRBD開発の最新動向を聞く夜 (つまりDRBDメイン開発者Philippが来日するので迎撃したい。)」が開催されます。SIOSは会場の提供をさせて頂きます。

DRBD(Distributed Replicated Block Device)は、TCP/IPネットワークを通じて複数のサーバ間のHDD(パーティション)をミラーリング(複製)するソフトウェアです。簡単>に言うと、ネットワーク越しにRAID1の環境を構築することができます。詳しくは、こちらこちらの記事がわかりやすく参考になると思います。

DRBDメイン開発者の Philipp Reisner が来日するというので,日本のコミュニティに向けてもDRBDの最新情報を話してもらう場となります。お話は英語で行われます。当日は懇親会も予定しております(ビール、ピザなど)。

https://connpass.com/event/116940/がプログラム内容と申し込みの詳細になります。奮ってご参加下さい。


セミナー情報2

2019/02/12 17:00-19:30で、「NGINX MeetUp Tokyo #2」を行います。

日本のNGINXユーザー、また関心をお持ちの方に向けてNGINX, Inc. CTO / Igor Sysoevを 招きNGINX最新情報をお届けします。セッション終了後には懇親会を用意しておりますので、NGINXを利用する方同士で交流もいただけます。

https://nginx-mj.connpass.com/event/116837/がプログラム内容と申し込みの詳細になります。奮ってご参加下さい。


セミナー情報3

2019/02/21 18:30-22:00で、「OSSライセンスMeetup Vol.2 「実録:GPL違反とその対応を振り返る」を行います。

いまだに国内の事例として紹介されるGPL違反に関して、状況や経緯、解決策、対応後の反響などについて振り返ります。 これまでは、客観的に違反とその対応に関して事例を説明することは多くありましたが、実際に起こった現場の声を反映した 事例の説明は数少なく、今だから言えることなど、知見を共有いたします。

https://sios.connpass.com/event/112157/がプログラム内容と申し込みの詳細になります。奮ってご参加下さい。


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