curlの脆弱性情報(Medium: CVE-2019-5481, CVE-2019-5482)

こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。

09/11/2019にcurlの脆弱性情報(Medium: CVE-2019-5481, CVE-2019-5482)が公開されています。こちらではこの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。




Priority

Priority

CVE番号影響するバージョンPriorityCVSS Score / CVSS Vector
CVE-2019-54817.52.0<=libcurl<=7.65.3

Vendor: 6.3 Medium

CVE-2019-54827.19.4<=libcurl<=7.65.3

修正方法

各ディストリビューションの情報を確認してください。

CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)

  • http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2019-5481
    • FTP-KRBの二重解放
    • libcurlはCURLOPT_KRBLEVELオプションを用いることでFTPを通してkerberosを使ってサーバと会話することが出来ます。

      そのようなkerberos FTPデータ転送の間は、サーバはcurlにデータを最初に32bitサイズのブロックで送り、その後残りのデータが続く形で送ります。

      悪意のある、または壊れているサーバは大きいブロックを送る事ができ、それによりcurlはrealloc()に失敗してメモリの二重解放を行ってしまいます。

      実際には、最新の64bitシステムでは4GBのメモリエリアを割り当てても大丈夫ですが、32bitシステムでは失敗します。

      Kerbers FTPはcurlでは非常に稀な使われ方です。また、Kerneros認証は通常クライアントが以前に関連付けられたサーバに対してのみ行われます。

      現段階では、この脆弱性を利用したエクスプロイトは観測されていません。

    • 緩和策:以下の何れかを行って下さい。
      1. curlのバージョンを7.66.0にアップデートしてください。
      2. こちらの修正箇所を修正してパッケージをリビルドして下さい。
      3. CURLOPT_KRBLEVELオプションを使用しないで下さい。
  • http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2019-5482
    • TFTPスモールブロックサイズのヒープオーバーフロー
    • libcurlのTFTPサーバからデータを受け取る際に使用されるtftp_receive_packet()関数中にヒープバッファーオーバーフローの問題があります。

      この問題は以前のCVE-2019-5436の修正が不完全だったためです。

    • 緩和策:以下の何れかを行って下さい。
      1. curlのバージョンを7.66.0にアップデートしてください。
      2. こちらの修正箇所を修正してパッケージをリビルドして下さい。
      3. CURLOPT_KRBLEVELオプションを使用しないで下さい。

主なディストリビューションの対応方法

詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください


対処方法

対処は各ディストリビューションの情報に従ってください。


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