Linux Kernelの脆弱性(CVE-2017-7541, CVE-2017-7542, CVE-2017-11600) — | サイオスOSS | サイオステクノロジー

Linux Kernelの脆弱性(CVE-2017-7541, CVE-2017-7542, CVE-2017-11600)

07/17/2017にLinux Kernelの複数の脆弱性情報(CVE-2017-7541, CVE-2017-7542, CVE-2017-11600)が公開されました。今回はこの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。

こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。

07/17/2017にLinux Kernelの複数の脆弱性情報(CVE-2017-7541, CVE-2017-7542, CVE-2017-11600)が公開されました。今回はこの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。



Priority

Moderate

修正方法

各ディストリビューションの情報を確認してください。

CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)

  • http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2017-7541
    • ローカルの一般ユーザによるクラッシュの可能性

    • 重要度 – Moderate

    • Linux Kernel 3.9-rc1から4.13rc1までの brcmf_cfg80211_mgmt_tx()にバッファーオーバーフローによるKernelメモリ破損の可能性が有ります。これを利用して、権限のない一般のローカルユーザが改変したNL80211_CMD_FRAMEパケットをnetlinkから送ることにより、システムをクラッシュさせることが出来る可能性があります。

  • http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2017-7542
    • ローカルユーザによるDoS(整数オーバーフローと無限ループ)の可能性

    • 重要度 – Moderate

    • Linux Kernel 4.12.3まででは、net/ipv6/output_core.c中のip6_find_1stfragopt()関数に問題があるため、これを利用した悪意のあるローカルユーザによりDoS(整数オーバーフローと無限ループ)を引きおこされる可能性があります。

  • http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2017-11600
    • ローカルユーザによるDoS(境界外領域へのアクセス)の可能性

    • 重要度 – Moderate

    • Linux Kernel 4.12.3まででCONFIG_XFRM_MIGRATEを有効化している時、net/xfrm/xfrm_policy.c 中の問題により、これを利用した悪意のあるローカルユーザによるDoS(境界外領域へのアクセス)の可能性があります。



対処方法

各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat Satelliteを使うと管理が便利でしょう。

Red Hat Satelliteを用いた一般的なErattaの適用は、『Red Hat Satellite 6でerrataを適用してみる』
参考にして下さい。

また、OSの再起動が発生しますので、pacemakerなどOSSのクラスタ製品LifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。

[参考]

http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2017-7541

http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2017-7542

http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2017-11600

講演内容募集案内

2017年10月21日-22日まで開催されるopenSUSE.Asia Summit 2017 Tokyoの講演内容募集(CFP)が始まりました。

https://news.opensuse.org/2017/07/07/opensuse-asia-summit-2017-tokyo-call-for-proposals-is-open/

講演募集の締切は8/14(月)で、日本語でも講演は可能です。

セキュリティに関してのトピックは

 

  • FLOSS Security

    • Access/Integrity control (e.g., AppArmor, IMA, Audit)

    • Cryptography

    • Vulnerability management

となってます。御応募を是非お願い致します。


セミナー情報

7/26(水)に「OSSセキュリティナイターvol.6」と題して、セキュリティのセミナーを行います。この回では、『SELinuxの現状とLinuxセキュリティ』と題してSELinuxの最新動向から実際の効果を、デモを交えて説明致します。

今回も、前回に引き続き、ゲスト講師をお招きし講演をいただきます。

https://connpass.com/event/61395/がプログラム内容と申し込みの詳細になりますので、是非お申し込み下さい。

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