Linux Kernelの特権昇格の脆弱性情報(Important: CVE-2020-14386)

こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。

09/09/2020にLinux Kernelの脆弱性情報(Important: CVE-2020-14386)が公開されています。今回はこれらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。


Priority

CVE番号影響するバージョン一次情報源PriorityCVSS Score / CVSS Vector
CVE-2020-14386 Linux kernel < 5.7.7 CVE-2020-14386: Linux kernel: af_packet.c vulnerability

RedHat: 7.8 Important

RedHat: CVSS:3.1/AV:L/AC:L/PR:L/UI:N/S:U/C:H/I:H/A:H

修正方法

各ディストリビューションの情報を確認してください。

CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)

  • https://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2020-14386
    • 特権昇格の可能性
    • 5.9-rc4より前のLinux Kernelでは、net/packet/af_packet.cにメモリ破壊の問題があり、非特権のプロセスがroot特権に昇格できる可能性があります。
    • これはCAP_NET_RAWケーパビリティをローカルユーザが有効にしている場合にこの問題が発生します。

主なディストリビューションの対応方法

詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください


対処方法

各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。

また、OSの再起動が発生しますので、pacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。


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