Linux Kernelの脆弱性(Moderate: CVE-2021-28660)
こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
03/18/2021にLinux Kernelの脆弱性(Moderate: CVE-2021-28660)が公開されました。今回はこちらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
[過去の関連リンク]
Linux Kernelの脆弱性(Moderate: CVE-2021-3411) Linux Kernelの脆弱性(Moderate: CVE-2021-20268) Linux Kernelの脆弱性(Important: CVE-2021-27364, CVE-2021-27365, Moderate: CVE-2021-27363) Linux Kernelの脆弱性(Important: CVE-2021-20226) Linux Kernelの脆弱性(Important: CVE-2021-26708) Linux Kernelの脆弱性(Moderate: CVE-2021-3347) Linux Kernelの脆弱性(Moderate: CVE-2020-27835) Linux Kernelの脆弱性(Important: CVE-2020-36158)Priority
CVE番号 | 影響するバージョン | 一次情報源 | Priority | CVSS Score / CVSS Vector |
---|---|---|---|---|
CVE-2021-28660 | Linux Kernel <= 5.11.6 | Bug 1940590 (CVE-2021-28660) - CVE-2021-28660 kernel: buffer overflow in rtw_wx_set_scan function in drivers/staging/rtl8188eu/os_dep/ioctl_linux.c |
Red Hat: 8.4 Moderate |
Red Hat: CVSS:3.1/AV:L/AC:L/PR:N/UI:N/S:U/C:H/I:H/A:H |
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- https://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2021-28660
- Linux Kernelの5.11.6までのバージョンに脆弱性が見つかりました。drivers/staging/rtl8188eu/os_dep/ioctl_linux.c中のrtw_wx_set_scan()でssid[]配列の末尾を超えて書き込みを許可してしまっています。arch/x86/kernel/kprobes/opt.c中のcan_optimize()関数中のint3のpaddingでメモリアクセス違反が発生する可能性があります。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
- Debian
- Red Hat Enterprise Linux/CentOS
- Ubuntu
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2021/CVE-2021-28660.html
- SUSE/openSUSE
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteやKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。
また、OSの再起動が発生しますので、pacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。
セキュリティ系連載案内
- OSSセキュリティ技術の会による日経Linuxでの連載「IoT時代の最新SELinux入門」がITPro上で読めるようになりました。技術の会代表で第一人者である中村さん等による、最新のSELinuxの情報やコマンド類等も更新されているのでお薦めです。
- OSSセキュリティ技術の会によるThinkITでの連載「開発者のためのセキュリティ実践講座」がThinkIT上で開始しました。技術の会の中の人間で、最新の代表的なOSSセキュリティ技術を紹介していきます。
- OSSセキュリティ技術の会により、ThinkITでLinuxSecuritySummit 2018のレポートが紹介されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OSS脆弱性ウォッチ」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OpenSCAPで脆弱性対策はどう変わる?」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会のメンバーにより、@ITで「Berkeley Packet Filter(BPF)入門」が連載されています。
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