Linux Kernelの脆弱性(Moderate: CVE-2021-3655)

こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。

08/05/2021にLinux Kernelの脆弱性(Moderate: CVE-2021-3655)が公開されました。今回はこちらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。



Priority

CVE番号影響するバージョン一次情報源PriorityCVSS Score / CVSS Vector
CVE-2021-3655 Linux Kernel <= 5.14-rc1

Bug 1984024 (CVE-2021-3655) – CVE-2021-3655 kernel: missing size validations on inbound SCTP packets

Red Hat: 5.3 Moderate

Red Hat: CVSS:3.1/AV:N/AC:L/PR:N/UI:N/S:U/C:L/I:N/A:N

修正方法

各ディストリビューションの情報を確認してください。

CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)

  • https://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2021-3655
    • 初期化されていないメモリ読み取りの可能性
    • 5.14-rc1より前のLinux Kernelでは、inboundのSCTPパケットのサイズ確認に問題があったため、kernelに初期化されていないメモリを読み取らせてしまう可能性があります。

緩和策

SCTPを使わない場合には、SCTPを無効にすることで問題を緩和することができます。SCTPモジュールは自動的に読み込まれてしまうため、


# echo "install sctp /bin/true" >> /etc/modprobe.d/disable-sctp.conf

としてシステムを再起動する事により、SCTPモジュールがロードされなくなります。

主なディストリビューションの対応方法

詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください


対処方法

各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。

また、OSの再起動が発生しますので、pacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。


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