OpenSSLの脆弱性情報(High: CVE-2020-1967)
こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
04/21/2020にOpenSSLの脆弱性情報(High: CVE-2020-1967)が公開されています。今回はこの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
[過去の関連リンク(最新10件)]
OpenSSLの脆弱性情報(Low: CVE-2019-1551) OpenSSLの脆弱性情報(Low: CVE-2019-1547, CVE-2019-1549, CVE-2019-1563) OpenSSLの脆弱性情報(Low: CVE-2019-1543) OpenSSLの脆弱性情報(Moderate: CVE-2019-1559)と修正版(OpenSSL 1.0.2r)、及び新規リリース(OpenSSL 1.1.1b) OpenSSLの今後のバージョン体系(3.0.0以降)とApache License 2.0の採用 OpenSSLの新バージョン(Low: 1.1.1a/1.1.0j/1.0.2p)リリースPriority
CVE番号 | 影響するバージョン | Priority | CVSS Score / CVSS Vector |
---|---|---|---|
CVE-2020-1967 | 1.1.1d-1.1.1f |
Vendor: High Red Hat: 7.5 Important |
Red Hat: CVSS:3.1/AV:N/AC:L/PR:N/UI:N/S:U/C:N/I:N/A:H |
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2020-1967
- 悪意のあるPeerによるDoS(アプリケーションクラッシュ)の可能性
- 重要度 - High
- 対象 - OpenSSL 1.1.1d-1.1.1f
- TLS拡張の"signature_algorithms_cert"の誤った取扱によりNULLポインタ被参照が発生するため、SSL_check_chain()関数をTLS 1.3ハンドシェイク後に行うアプリケーションがクラッシュする可能性があります。クラッシュはPeerから不正/或いは認識できないシグネチャアルゴリズムを受け取った際に発生します。これにより悪意のあるPeerによるDoS攻撃が可能になります。
- この問題はOpenSSL 1.0.2には影響しませんが、1.0.2のバージョンは開発元では既にサポート外であるためご注意下さい。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
- Debian
- Red Hat Enterprise Linux/CentOS
- Ubuntu
- SUSE/openSUSE
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteやKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。
また、サービスの再起動が発生する場合には、peacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。
セキュリティ系連載案内
- OSSセキュリティ技術の会による日経Linuxでの連載「IoT時代の最新SELinux入門」がITPro上で読めるようになりました。技術の会代表で第一人者である中村さん等による、最新のSELinuxの情報やコマンド類等も更新されているのでお薦めです。
- OSSセキュリティ技術の会によるThinkITでの連載「開発者のためのセキュリティ実践講座」がThinkIT上で開始しました。技術の会の中の人間で、最新の代表的なOSSセキュリティ技術を紹介していきます。
- OSSセキュリティ技術の会により、ThinkITでLinuxSecuritySummit 2018のレポートが紹介されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OSS脆弱性ウォッチ」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OpenSCAPで脆弱性対策はどう変わる?」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会のメンバーにより、@ITで「Berkeley Packet Filter(BPF)入門」が連載されています。
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