PowerDNSの複数の脆弱性情報(Low:CVE-2018-14663 , Medium:CVE-2018-16855)
こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
11/26/2018にPowerDNSの複数の脆弱性情報(Low:CVE-2018-14663 , Medium:CVE-2018-16855)が公開されています。今回はこれらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
一次情報源
Low:CVE-2018-14663: PowerDNS Security Advisory for dnsdist 2018-08: Record smuggling when adding ECS or XPF (https://dnsdist.org/security-advisories/powerdns-advisory-for-dnsdist-2018-08.html) Medium:CVE-2018-16855: PowerDNS Security Advisory 2018-09: Crafted query can cause a denial of service (https://docs.powerdns.com/recursor/security-advisories/powerdns-advisory-2018-09.html)Priority
- CVE-2018-14663
Medium
- SuSE
- Red Hat Customer Potal
- NVD
- CVE-2018-16855
Medium
- SuSE
- Red Hat Customer Potal
- NVD
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2018-14663
- 不完全なチェックの可能性
- 重要度 - Low
- 1.3.2までのPowerDNS dnsdistに問題が見つかりました。末尾のデータにdnsdistによって付加されるレコード(例えばEDNSクライアントサブネットが付けられる時のOPTレコード)のような追加があると、リモートの攻撃者が後続にデータを含むDNSクエリをdnsdistに認識されないように作成する事が可能です。この問題は'useClientSubnet'または'addXPF'パラメータが新しいバックエンドを宣言する際に使われている時に発生します。
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2018-16855
- DoSの可能性
- 重要度 - Medium
- 4.1.0から4.1.7までのPowerDNS Recursorに問題が見つかりました。リモートの攻撃者が細工されたDNSクエリを送った際、パケットキャッシュルックアップのクエリのハッシュを計算する時に境界外メモリ読み出しのトリガを引き起こし、クラッシュさせることが出来る可能性があることがわかりました。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
- Debian
- Red Hat Enterprise Linux/CentOS
- Ubuntu
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2018/CVE-2018-14663.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2018/CVE-2018-16855.html
- SUSE/openSUSE
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteやKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。
[参考]
Low:CVE-2018-14663: PowerDNS Security Advisory for dnsdist 2018-08: Record smuggling when adding ECS or XPF (https://dnsdist.org/security-advisories/powerdns-advisory-for-dnsdist-2018-08.html) Medium:CVE-2018-16855: PowerDNS Security Advisory 2018-09: Crafted query can cause a denial of service (https://docs.powerdns.com/recursor/security-advisories/powerdns-advisory-2018-09.html)セキュリティ系連載案内
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- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OpenSCAPで脆弱性対策はどう変わる?」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会のメンバーにより、@ITで「Berkeley Packet Filter(BPF)入門」が連載されています。
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