Squidの複数の脆弱性情報(Important: CVE-2020-8450, CVE-2019-8517, Moderate: CVE-2019-12528, CVE-2020-8449)と新バージョン(4.10)
こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面 和毅です。
02/03/2019にSquidの複数の脆弱性情報(Important: CVE-2020-8450, CVE-2019-8517, Moderate: CVE-2019-12528, CVE-2020-8449)と新バージョン(4.10)が公開されていました。遅くなりましたが、今回はこれらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
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Squidの複数の脆弱性情報(Moderate: CVE-2019-12523, CVE-2019-12526, CVE-2019-18676, CVE-2019-18677, CVE-2019-18678, CVE-2019-18679) Squidの脆弱性情報(Moderate: CVE-2019-13345) Squidの脆弱性情報(Moderate: CVE-2018-19131, Important: CVE-2018-19132)一次情報源
Squid Proxy Cache Security Update Advisory SQUID-2020:1 Squid Proxy Cache Security Update Advisory SQUID-2020:2 Squid Proxy Cache Security Update Advisory SQUID-2020:3Priority
CVE番号 | 影響するバージョン | Priority | CVSS Score / CVSS Vector |
---|---|---|---|
Squid 2.x -> 2.7.STABLE9, Squid 3.x -> 3.5.28, Squid 4.x -> 4.9 |
Red Hat: Moderate/Important |
CVSS-2020-8449: Red Hat: CVSS 5.9 / CVSS:3.1/AV:N/AC:H/PR:N/UI:N/S:U/C:N/I:N/A:H CVSS-2020-8450: Red Hat: CVSS 8.1 / CVSS:3.1/AV:N/AC:H/PR:N/UI:N/S:U/C:H/I:H/A:H |
|
CVE-2019-12528 | Squid 2.x -> 2.7.STABLE9, Squid 3.x -> 3.5.28, Squid 4.x -> 4.9 |
Red Hat: Moderate |
Red Hat: CVSS 5.9 / CVSS:3.1/AV:N/AC:H/PR:N/UI:N/S:U/C:H/I:N/A:N |
CVE-2020-8517 | Squid 2.x -> 2.7.STABLE9, Squid 3.x -> 3.5.28, Squid 4.x -> 4.9 |
Red Hat: Important |
Red Hat: CVSS 8.1 / CVSS:3.1/AV:N/AC:H/PR:N/UI:N/S:U/C:H/I:H/A:H |
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CVE-2020-8449
- セキュリティフィルタ迂回の問題
- 不正確な入力検証により、Squidが細工されたHTTPリクエストを望まない方法で、セキュリティフィルタで禁止されているサーバリソースにアクセスさせることが出来ます。
- DoSの可能性
- 重要度 - Moderate
- Squidのバッファー管理に問題があり、リモートのクライアントはリバースプロキシとして動作しているSquidインスタンスに対してバッファーオーバーフローを起こさせることが出来ます。
- 情報漏えいの可能性
- 重要度 - Moderate
- データ管理に問題があり、SquidがFTPサーバリストをHTTP応答に変換する際に情報を漏洩する可能性があります。
- HTTPスマグリング攻撃の可能性
- 重要度 - Moderate
- Squidのバッファー管理に問題があり、NTLM認証を行う際にext_lm_grop_aclに対してDoSを起こさせることが出来ます。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
- Debian
https://security-tracker.debian.org/tracker/CVE-2019-12528
https://security-tracker.debian.org/tracker/CVE-2020-8449
- Red Hat Enterprise Linux/CentOS
https://access.redhat.com/security/cve/CVE-2019-12528
https://access.redhat.com/security/cve/CVE-2020-8449
- Ubuntu
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2019/CVE-2019-12528.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2019/CVE-2020-8449.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2019/CVE-2020-8450.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2019/CVE-2020-8517.html
- SUSE/openSUSE
https://www.suse.com/security/cve/CVE-2019-12528.html
https://www.suse.com/security/cve/CVE-2020-8449.html
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat SatelliteやKatello、Spacewalk等を使うと管理が便利でしょう。
また、サービスの再起動が発生しますので、peacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。
[参考]
Squid Proxy Cache Security Update Advisory SQUID-2020:1 Squid Proxy Cache Security Update Advisory SQUID-2020:2 Squid Proxy Cache Security Update Advisory SQUID-2020:3セキュリティ系連載案内
- OSSセキュリティ技術の会による日経Linuxでの連載「IoT時代の最新SELinux入門」がITPro上で読めるようになりました。技術の会代表で第一人者である中村さん等による、最新のSELinuxの情報やコマンド類等も更新されているのでお薦めです。
- OSSセキュリティ技術の会によるThinkITでの連載「開発者のためのセキュリティ実践講座」がThinkIT上で開始しました。技術の会の中の人間で、最新の代表的なOSSセキュリティ技術を紹介していきます。
- OSSセキュリティ技術の会により、ThinkITでLinuxSecuritySummit 2018のレポートが紹介されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OSS脆弱性ウォッチ」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会の面により、@ITで「OpenSCAPで脆弱性対策はどう変わる?」が連載されています。
- OSSセキュリティ技術の会のメンバーにより、@ITで「Berkeley Packet Filter(BPF)入門」が連載されています。
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