Tomcat 7.x/8.x/9.xに複数の脆弱性 ( CVE-2018-1304, CVE-2018-1305 ) — | サイオスOSS | サイオステクノロジー
Tomcat 7.x/8.x/9.xに複数の脆弱性 ( CVE-2018-1304, CVE-2018-1305 ) — | サイオスOSS | サイオステクノロジー

Tomcat 7.x/8.x/9.xに複数の脆弱性 ( CVE-2018-1304, CVE-2018-1305 )
こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面です。
02/23/2018に、Tomcat 7.x/8.x/9.xに関して複数の脆弱性情報 ( CVE-2018-1304, CVE-2018-1305 )が出ています。今回はこれらの脆弱性の概要と、各ディストリビューションの対応について簡単にまとめてみます。
一次情報源
http://tomcat.apache.org/security-9.html
http://tomcat.apache.org/security-8.html
http://tomcat.apache.org/security-7.html
Priority
Medium/Moderate
修正方法
各ディストリビューションの情報を確認してください。
CVE概要(詳細はCVEのサイトをご確認ください)
- CVE-2018-1305
- (一次情報)CVE-2018-1304
-
rootコンテキストへのセキュリティ制約適用が無視される問題
-
重要度 - Important
-
影響するバージョン : 9.0.0.M1 to 9.0.4 /8.0.0.RC1 to 8.0.49/7.0.0 to 7.0.84
-
URLのパターンが"" (空文字)で与えられた場合にはrootコンテキストにマップするのが本来ですが、これがセキュリティ制限のパターンでは適切に行われていませんでした。これによりセキュリティ制限が無視され、本来制限されている、認証されていないユーザがWebアプリのアクセス権を得てしまうことが可能になってしまいます。これは、URLパターンでセキュリティ制限を掛けてるときのみ問題になります。
- CVE-2018-1305
- (一次情報)CVE-2018-1305
-
アノテーションによるセキュリティ制限付与のタイミングによる問題
-
重要度 - Important
-
影響するバージョン : 9.0.0.M1 to 9.0.4 /8.0.0.RC1 to 8.0.49/7.0.0 to 7.0.84
-
サーブレットのアノテーションによって定義されたセキュリティ制限は、サーブレットがロードされた際にのみ適用されます。セキュリティ制限がこのような仕組みで適用されるため、サーブレットがロードされる順番によっては、いくつかのセキュリティ制限が適用されないケースが考えられます。これにより、アクセス権を持っていないユーザにアクセスされる可能性があるなど、セキュリティ制限が適切に行われない可能性があります。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
-
debian
-
Red Hat Enterprise Linux/CentOS
-
Ubuntu
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2018/CVE-2018-1304.html
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2018/CVE-2018-1305.html
-
SUSE/openSUSE
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。全てのRed Hat製品でパッチが行き渡っているかを確認するには、Red Hat Satelliteを使うと管理が便利でしょう。
Red Hat Satelliteを用いた一般的なErattaの適用は、『Red Hat Satellite 6でerrataを適用してみる』を 参考にして下さい。
また、アプリケーションの再起動が発生しますので、pacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。
[参考]
http://tomcat.apache.org/security-9.html
http://tomcat.apache.org/security-8.html
http://tomcat.apache.org/security-7.html
セミナー情報
著者が所属しているOSSセキュリティ技術の会では、02/23/(金)に「3コマ連続 [セキュリティトラック] OSSと脆弱性管理」と題して、OSSの利用と脆弱性管理に関しての、パネルディスカッションを含めたセッションを行います。
https://www.ospn.jp/osc2018-spring/modules/eguide/event.php?eid=49がプログラム内容の詳細になりますので、是非お申し込み下さい。
セキュリティ系連載案内
-
OSSセキュリティ技術の会による日経Linuxでの連載「IoT時代の最新SELinux入門」がITPro上で読めるようになりました。技術の会代表で第一人者である中村さん等による、最新のSELinuxの情報やコマンド類等も更新されているのでお薦めです。
-
OSSセキュリティ技術の会によるThinkITでの連載「開発者のためのセキュリティ実践講座」がThinkIT上で開始しました。技術の会の中の人間で、最新の代表的なOSSセキュリティ技術を紹介していきます。
-
OSSセキュリティ技術の会により、ThinkITでLinuxSecuritySummit 2017のレポートが紹介されています。
OSSに関するお困りごとは サイオス OSSよろず相談室まで
サイオスOSSよろず相談室 では、OSSを利用する中で発生する問題に対し、長年培ってきた技術力・サポート力をもって企業のOSS活用を強力に支援します。Red Hat Enterprise Linux のほか、CentOS をご利用されている環境でのサポートも提供いたします。
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